炉ばた漬(株式会社 浜食)

【大好物ドS級グルメシリーズ その2】

ドS級グルメとは、【Simple(簡易)】 ・【Snack(間食)】の『S』を冠した手軽な食べ物のことを僕はそう呼んでいる。B級グルメ以上に手軽で、身近にあり、土地も基本的には選ばない。近所のスーパー・コンビニ等で買えるお菓子やご飯のお供など、消費者として「取り寄せない・財布に負担がかからない・温めない」という手抜き具合でありながら、食べ始めたら止まらないド級の美味しさ。お馴染みのものがほとんどで、何を今更な商品ばかりかもしれないが、答え合わせ的に共感できれば望外の喜びである。その存在は贅沢ができない庶民に惜しみない祝福を与える救世主(メシア)そのもの。救世主(メシア)の圧倒的な実力をぜひ召し上(めしあ)がって欲しい。

常備菜、保存食、もう一品…。多様な場面で活躍し、主役ではないが、最高の食事を演出するベテランなおかず。食材としては、大根。しかし、食卓という舞台に上がれば、役者として味のある名脇役であり、決して大根ではない。そう、それが漬物界の大物、沢庵である。何枚目かと問われれば、今から二枚目、これが二枚目、まだ二枚目、たぶん二枚目。箸が止まらないが、ずっと2枚目。塩分のとり過ぎに目を瞑ってくれる永遠の二枚目俳優である。

脇役でありながら二枚目。そして、ベテランで大物。高感度が高く、広く愛されていて、多くのスーパーに顔を出す庶民派。買って帰れば、食べやすいサイズに切って、そのまま食卓へ。そこそこのボリュームであるがこれでハーフサイズらしい。強靭な胃袋と度胸があれば、そのままかぶり付くこともできる。食卓界全体を見れば脇役かもしれないが、渋いところで、相棒の白飯さえあれば、主役もこなして、二人で物語は完結する。これだけ活躍し、日持ちもするのに近くのスーパーで321円。ギャラもお手頃で文句なしである。

多くの沢庵で甘さが強いのに対して、炉ばた漬は甘さがほとんどない。言うなれば塩系大根の塩対応。辛いマスクが持ち味である。真っ白な大根が健康的な薄い橙色に染まっている。歯応えのある演技は、ボリっ、ボリっという力強い効果音とともに口衆を魅了し、白飯との掛け合いは見応え、もとい食べ応えがハンパない。僕は、「甘くない」を語る多くの沢庵をお取り寄せしては渡り歩いてきたが、その中でも文句なしで一番ウマい。それがスーパーで手に入るのだから二重の喜びである。

炉ばた漬を包む袋には、どことなく懐かしい和尚さんと小坊主と猫がプリントされ、みんなで炉ばた漬を食べている。何とも幸せな光景であるが、キャラクター選定のクセの強さと、描かれるタッチの何ともノスタルジックな感じが食べる前からいい味を出している。この2人と1匹のいるであろう描かれていない背景には、きっと日本の原風景、茫々たる農村があり、記憶ではないイメージのふるさとがそこにある。うさぎ追いし一口目、小鮒釣りし二口目。ようこそ、食の里帰りへ。日本人の伝統的な食文化、和食。食べる世界遺産がそこにある。

【参考】http://www.hamashoku.co.jp/jyouhou/ftssi/detail.php?id=A0009

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