国勢調査のイメージキャラクター「センサスくん」を考える。

もうすぐ10月1日になる。国勢調査の基準日だ。我が家には早くも調査票が届けられた。同封された『調査票の記入のしかた』という冊子の表紙右上。愛くるしい表情の赤ちゃんが。イメージキャラクターのセンサスくんである。調査を実施する総務省統計局の説明には、「センサスくんは、国勢調査が赤ちゃんからお年寄りまで一人の漏れなく調査しなければならないことから、未来の時代を担う赤ちゃんをイメージキャラクターとして平成2年国勢調査で誕生しました。」とある。

【参考】https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2015/pdf/life3.pdf

注目すべきは、はっきり赤ちゃんをイメージしていると紹介されている点である。「赤ちゃん」。具体的には何歳をイメージしているのかわからないが、描かれるセンサスくんはオムツをしている様な姿で、しっかりと立っており、0.5〜2歳くらいの乳児であるものと思われる。

「赤ちゃんも調査の対象」である。当局の説明にもあるように強調したいメッセージは、非常に良く伝わってくる。一方で、センサスくんが手に持つ「えんぴつ」が気になってしかたがない。何のメッセージなのだろうか。一般的に考えて、乳児が調査票を記入することは考えにくく、センサスくんの調査はその保護者が回答すると考えられる。

乳児の手に「えんぴつ」。成長し当時よりは手が掛からなくなったものの、つい最近まで乳児と生活をしていた者にとって、この状況は非常に神経質になる場面である。「えんぴつ」が悪い訳ではないが、組み合わせの問題である。センサスくんが小学生であれば、何の違和感もない。突拍子もない行動が予想される乳児であるがために「ひやひやしてしまう」のである。育児経験のある方は思い出してみて欲しい。初めての子どもであれば尚更。さながら乳児自らに向けられた凶器のような「えんぴつ」の恐怖を。

「鉛筆」であるため、「鉛中毒」にならないだろうか。何でもかんでも口に入れる乳児。鉛筆の芯を舐り、体内に入ってしまい、小さい身体のため、僅かな摂取量でも中毒にならないだろうか。

【参考】https://www.mpuni.co.jp/customer/ans_57.html

この点は安心してもいいようだ。製造元によれば、「鉛」は入っていないため、「鉛中毒」にはならない。ビショビショの口元が黒く滴る視覚的なインパクトに肝を潰すことにはなるが、今度はその毒性よりも尖った先端で口の中に傷ができないか、口内で刺さって折れないかという懸念が燻るため、心配の種であることに変わりない。口でなくとも、安定しない行動で何かの拍子に鉛筆が…というのは十分考えられることである。

また、その先端が他人に向けられないだろうか。もちろんだが、乳児に悪気はない。平成27年にオンライン回答を促進するために誕生したセンサスくんと向かい合うイメージキャラクターみらいちゃん。彼女と遊ぶ上でえんぴつは、おもちゃとしては相応しいものではない。遊びとしてのお絵描きならば、先端の丸いクレヨンなどを使えばよく、乳児との生活において、えんぴつを使わせることはほとんど無かったと思う。えんぴつメーカーに問い合わせたことはないが、仮に問い合わせた場合、返答は乳児のえんぴつの使用を推奨しないということになるのではないだろうか。将来、画家にするために乳児からデッサンの教育を…という特殊な状況でない限り。

ここまでわけのわからない話で恐縮であるが、国勢調査は、乳児の誤嚥や、誤使用による事故の統計ではない。みらいちゃんの持つスマホがオンライン調査での回答の象徴なら、センサスくんの持つえんぴつは、アナログな回答の象徴なのであろう。回答のツールで統一されているキャラクターの持ち物の中で、センサスくんが持つえんぴつをより安全に配慮した物に持ち替える場合に何がいいのかを考えてみた。条件は、調査を象徴し、キャラクターの赤ちゃんが持っていて不自然でない物である。

時代の流れとしては、みらいちゃんと同じような物になるが、スマホ・タブレット・PCなどが有力候補となる。ただ、少なからず通信機器の利用環境にない人もいるため、アナログの要素は残した方がいいのかもしれない。そこで象徴であれば、みらいちゃんの持つ回答の象徴であるデジタルなスマホに対して、統計にとって回答同等に重要な要素である「集計」を象徴させて、しかもアナログな「そろばん」はどうだろうか。今時、そろばんを使った集計などあり得ないが、あくまで象徴である。乳児にとっては角があるため、注意はしなければならないが、毒性はなく、刺さる心配もない。玉が動く「そろばん」の構造は、音も含めて乳児の大好物だと思われる。

本当にどうでもいい話である。センサスくんが「えんぴつ」を持つことの意味を理解した上で、モンスターペアレントのクレーム染みた内容になってしまった。非難するつもりはさらさらなく、ただただ思っただけである。たかがキャラクター、されどキャラクター。幼き頃の我が子を想起させるセンサスくんに感情移入したパパの独り言。ブツブツ言いながらもオンライン回答終了。国民の義務もちゃんと果たせました。では、また5年後。

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