世界最大級・中国「三峡ダム」 危険水位を大幅超え (テレビ朝日 2020.8.20)

またまた中国の話題で恐縮であるが、有名な三峡ダムの映像である。このさらに上流では、すでに洪水被害が起きているとのことで、非常に心配なことである。何とか水位が下がることを祈るばかりだが、自然災害というものは、人知が及ばないことの結果であると思う。制御できないものは避けるしかない。とにかく早くて遠めの避難を心がけて欲しい。

タイトルの通り、世界最大級のダム、三峡ダム。このダムを知ったのは、白帝城の観光ができなくなるという情報からである。実際に、現在の白帝城はダム湖に囲まれた島となっている。三国志好き(特に蜀推し)には、お馴染みのスポットであり、いつか観光してみたいと思っていたが、叶うことはなかった。洪水を繰り返す長江の防災と大陸を横断する水運の利便性、電力の獲得等三峡ダムの役割は大きいが、周辺住民の強制移住や文化財の水没など失うものも多かった。おおくの犠牲を払いながら、未来を志向して断行されながらも、今日現在、最大の目的である洪水の抑制において危機が迫っている。

今より気象や土木技術の発展していない社会では、今以上に恩恵と損害に振り回されていた。劉備も少なからず頭を悩ませていたに違いない。水のない日照り続きでは旱魃が起こり、雨が降り続いては増水し洪水となる。一方で、適度な潤いは、文明の礎たる農耕文化にとって必要不可欠なものであり、文明の担い手である人々の生命の維持にも欠かすことができない。恩恵を最大化し、損害を最小化する。治水の歴史は、これを一貫して目的に掲げ、徐々に精度を上げていく水との闘いの歴史であった。三峡ダムは同地における現代治水技術の到達点であり、持てる人知を詰め込んでいるはずである。最大の備えを施しながら、それが脅かされる言いようのない恐怖。蜀の英雄の御霊の御加護を。

此誠危急存亡秋也。

【参考】

https://news.yahoo.co.jp/articles/5ff7f3ea3a87ec8fdb831c30ecce1e47ed2b578c

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