突然クロクマに遭遇した女性グループの冷静すぎる行動が話題!スマホで自撮りをする余裕っぷり(メキシコ) (FINDERS 2020.8.20)

ある日、森の中、クマさんに出会った…。

現実に遭遇した場合、スタコラサッササノサとはいかない。この写真の女性達は肝が座り過ぎている。自撮りができる余裕。クマは「お嬢さん、お逃げなさい。」とは言っていなかったのであろう。後ろ足だけで立ってみたり、匂いを嗅いでみたり、身体を押し付けてみたりと妙に人間染みた行動をするクマ。場所と時間と動物の種類が異なれば、間違いなく変質者である。別の意味で恐怖であるが、この女性達からしてみれば、自撮りしているところからもクマの方が「映える」災難であるということだろうか。むしろ、再生回数の伸びを見れば、恐怖の対価として少なからず納得しているのかもしれない。

くまモンにプーさん、テディベア。キャラクターとして存在する可愛らしいクマ達。一方で、記事にも言及されているが、クマは非常に獰猛な面を持つ動物である。北海道を舞台とするクマの獣害(事件)を描いたノンフィクション小説には、野生のクマの恐ろしさが凄惨に描かれている。前回の投稿に続き引用させていただき、恐縮だが、吉村昭氏の『羆嵐』、他にも木村盛武氏の『慟哭の谷』などがある。詳しくは是非、読んでみて欲しいが、読後にクマと遭遇した場合、恐怖で気絶してしまうかもしれないほどの内容である(それはそれで死んだフリになるかもしれないが)。本当に女性達が無事で何よりである。「白い貝がらのちいさなイヤリング」を着けていなかったことで、クマさんにしつこく付き纏われずに済んだのだろうか。

かなり貴重な体験であることは間違いないと思うが、できれば自然散策での予想外の遭遇ではなく、安全に配慮された動物園の柵越しで出会いたい。丸腰の人間はあまりにも無力。野生を生きるクマから見れば、陸上の鮭のようなものである。

【参考】

https://news.yahoo.co.jp/articles/f11ec05295d0dc53efe20fc75f91a4ff9d82c116

・吉村昭 1982『羆嵐』新潮社(文庫)

・木村盛武 2015『慟哭の谷 北海道三毛別・史上最悪のヒグマ襲撃事件』文藝春秋(文庫)

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